売る! アイディアの作り方のすべて 市村よしなり
売るためのアイディアを考えることは、ビジネスにおいて魅力的な商品を生むために、必要不可欠であることは言うまでもありません。
しかし、売るためのアイディアを考える法則みたいなものは、断片的に気づくことはあったかも知れませんが、今まではっきりとしなかったのではないでしょうか?
今回読んだ本書の中に、「ビジネスモデル発想法」というのがあります。
1.+足す、付け加える (五感を足す、別分野または同類とのジョイントなど)
2.−取り除く、分ける(簡素化するなど)
3.⇆逆転させる
4.↵流用する、修正する(重さを変える、強度を変えるなど)
5.↔長さ(時間)を変える(長くする、短くする、継続するなど)
6.¥金銭価値の変更(無料にする、最大化、最小化、利益を得ない、他で利益を得るなど)
例えば、1.の足す、付け加えるの「五感を足す」についてですが、エステティックサロンで従来の施術サービスに「臭覚」を加えてみると、香りで癒されるアロマセラピーの要素が加わって、ますます癒やしの効果が高まることが期待出来ます。
また、聴覚で言えば、カフェの店内のBGMとか、視覚で言えば、カプチーノやカフェオレの上に泡たてたミルクを乗せ、そこに絵を描くコーヒーアートです。
カフェでBGMが流れていれば、さらに気分が癒されますし、出て来るコーヒーアートを見れば、味以上の満足がお客さんに与えられるかも知れません。
このように、売るためのアイディアを考える上で、「ビジネスモデルの発想法」に基づいて考えてみると、ヒットする可能性のある商品やサービスのアイディアが見えて来ます。
私は、自動車が好きで、その中でも走りを楽しむ目的のいわゆるスポーツカーが特に好きなのですが、そのカテゴリだけのクルマの中で、このクルマは良い悪いというのがあります。
走りの性能だけで言えば、「走る・曲がる・止まる」がしっかりしているクルマが、一流のクルマですが、さらに五感で感じ取れる要素が多くて、その五感から奮い立たせる感覚が多ければ多いほど、そのクルマの商品価値が研ぎ澄まされることに納得することが出来ました。
具体的に は、視覚で言えば、デザインだし、聴覚で言えば、エンジンのメカニカルノイズやエキゾーストノート、臭覚で言えば、内装のシートや内張りに使われている革の匂いなど、五感を奮い立たせる事によって、クルマの価値観が変わって行きます。
さらに、五感の感度は、人それぞれ同じではないので、走る目的のスポーツカー領域だけでも、価値観は様々です。
このように、売るためのアイディアを考えるには、「ビジネスモデル発想法」を使ってみると、面白いほど、考えている商品やサービスのいいところが見えてくるようになります。
そして、その目が養われることにより、物に触れる楽しみが増え、物を提供する側で有るならば、成功に繋がっていくのかも知れません。
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大林 寿行 View All
H社及びM社ドイツエンジン部品メーカー2社を経て、国内自動車メーカーの実験エンジニアに従事。主にクルマのエンジン耐久信頼性実験とその研究に携わる。研究においては、H研究所出向中、エンジン内部の要素研究に着手。自動車技術会、SAEへ研究論文を発表し、「ピストンピン打音発生時の潤滑挙動可視化」やM社時代大学の研究室との共同研究「ディーゼル用スチールピストンの摩擦力と特性とスラップ振動の関係」などがある。また、「内燃機関のピストン構造」で特許を出願。しかし、順風満帆な日々は続かず、うつ病を患うことになり、これからの仕事の仕方について真剣に向き合う。情報発信を駆使して、エンジニアからジャーナリストへの転身を見据え、「エンスージアストへの道」ブログを立ち上げ、クルマ系記事を執筆。今年からは、クルマ系動画クリエイターとして独立を果たし、新車及びカー用品のレビューを本格的に実施。ブログ記事執筆によって、動画の新車レビューでお届け出来なかった内容を執筆し、クルマのエッセンスをより詳しく発信。また、カー用品では、デシダルルームミラーを始めとした、主に新車購入時に注目される用品を中心に、海外メーカーからタイアップの話を頂きつつ更新中。クルマを通じて、誰もが楽しいカーライフが得られるきっかけづくりを目指します。