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ポルシェ【MT PORSCHEの乗り方】

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趣味でMTのクルマに乗っている方は、普段からヒール&トーを使いながらドライブしている人が多々いらっしゃるでしょう。

それは、ブレーキをかける瞬間車速が落ちるので、それに合わせてシフトダウンをすることによって、次の立ち上がりに移る際、気持ちの良い加速とともに、楽しいドライブに繋がるためです。

これを自分で操作するのが、3ペダルのMTの醍醐味の1つですが、最近のポルシェのMTは、回転合わせが不要であると言われており、ヒール&トーを用いない操作方法に切り替わっています。

そのために、スポーツプラスを設定出来るクルマには、オートブリッピングがついており、シフトダウンの際、アクセルを煽って、回転合わせをしなくても、クラッチを切って、シフトダウンをするだけで、自動で回転をあわせてくれて、シフトダウンが可能です。

その結果、左足は、クラッチペダルのみの操作、右足はブレーキのみの操作になり、今までのMTの使い方とは、少し違った乗り方になりますので、多少慣れが必要になってきます。

それでは、なぜ、従来の回転合わせをしたヒール&トーに対応しないオートブリッピング機能のついたMTへと変わっていったのでしょうか?

それは、タイヤ・ホイールのサイズアップ、ローターの大径化、スチールからセラミックローターへの材料置換、そして、フロント6pot化、リア4pot化などにより、これまで以上にストッピングパワーを求めって行った結果、ブレーキの発熱が小さい低速から、発熱の大きい高速域まで、しっかりと止まるようになったためです。

そのため、日常で使う低速走行では、ブレーペダルに少しでも足を乗せた瞬間から、バッドにローターが「ゴー」という音とともに、強烈に食いつく勢いで止まるので、操作代が非常に少なくなってしまいました。

操作代が少なくなってしまった事により、右足でブレーキを踏みながら、アクセルを煽る操作は、プロでも容易ではないレベルであるため、オートブリッピング機能をつけて、ストッピングパワーはこれまで以上に引き出しつつ、ブレーキ操作をしっかりとコントロール出来る機能を整えたため、オートブリッピング機能が付いて、操作が変わったのだと私は考えています。

その結果、安全性が高まり、ドライビングの操作の正確性が上がり、低速から回転合わせが容易に出来てしまいます。さらにはスポーツプラスにスポーツエギゾーストをONにすることで、ブリッピング時の癖になる排気音が楽しめる、まさにポルシェにしか出来ないポルシェらしいクルマの楽しみを与える発想ではないかと考えています。

反対に、スポーツやノーマル時は、オートブリッピング機能は働きませんので、これまで通りの操作が強いられますが、少なくともセラミックローター付きのPCCBのクルマは、ブレーキを踏みながら、シフトダウンが出来ないので、シフトダウンを先にしてから、ブレーキをかけてコーナー進入か、先にブレーキをかけてから、シフトダウンして進入になるはずなので、運転はギクシャクするものになってしまい、運転に満足が出来ず、つまらない走りになってしまう可能性があります。

その場合は、スチールローターの方が、ストッピングパワーが落ちる分、ブレーキの操作代は増える方向なので、スポーツブラスがついていないクルマの場合は、こちらの方がドライブが楽しめるでしょう。

サーキットのようなある程度車速が上がり、ABSを効かせるか効かせない領域でブレーキコントロールをする走り方であれば、これまで通りのヒール&トーを使った走りでも、楽しめるのではないかと思います。

そのため、スポーツプラスでもPSMをオフにすると、オートブリッピング機能がOFFになります。

従って、世間では、2ペダル化が進んでいますが、MTもこれまでに無い発想で進化しているので、大きなカルチャショックを受けました。

これは、MTのポルシェに乗っている人しか分からないので、ぜひ2ペダルのクルマではなく、MTに乗ってもらうことをオススメしたいと思います。

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大林 寿行 View All

H社及びM社ドイツエンジン部品メーカー2社を経て、国内自動車メーカーの実験エンジニアに従事。主にクルマのエンジン耐久信頼性実験とその研究に携わる。研究においては、H研究所出向中、エンジン内部の要素研究に着手。自動車技術会、SAEへ研究論文を発表し、「ピストンピン打音発生時の潤滑挙動可視化」やM社時代大学の研究室との共同研究「ディーゼル用スチールピストンの摩擦力と特性とスラップ振動の関係」などがある。また、「内燃機関のピストン構造」で特許を出願。しかし、順風満帆な日々は続かず、うつ病を患うことになり、これからの仕事の仕方について真剣に向き合う。情報発信を駆使して、エンジニアからジャーナリストへの転身を見据え、「エンスージアストへの道」ブログを立ち上げ、クルマ系記事を執筆。今年からは、クルマ系動画クリエイターとして独立を果たし、新車及びカー用品のレビューを本格的に実施。ブログ記事執筆によって、動画の新車レビューでお届け出来なかった内容を執筆し、クルマのエッセンスをより詳しく発信。また、カー用品では、デシダルルームミラーを始めとした、主に新車購入時に注目される用品を中心に、海外メーカーからタイアップの話を頂きつつ更新中。クルマを通じて、誰もが楽しいカーライフが得られるきっかけづくりを目指します。

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