マツダ CX-8 AWD XD L-package SKYACTIV-D【ミニバンから観た、7人乗りSUVの使い勝手の欠点】
ミニバンに変わる7人乗り乗用車として注目を浴びているマツダCX-8。
価格は、上級グレードのMクラスミニバンと並び、SUVならではのクルマの質感が非常に高い一台になっています。
今回は、最新のMクラスミニバン、ステップワゴンハイブリッド、セレナe-POWERから観た、CX-8の使い勝手の欠点についてご紹介を致します。
まず一点目は、シートベルト内蔵のキャプテンシートになっているない事です。
これは、大人だけを乗せるセチュエーションでは、不足を感じないかも知れませんが、お子さんが3人いて、チャイルドシートを2席あるような場合ですと、欠点になります。
Cピラー備え付けのベルトで、キャプテンシートにチャイルドシートを乗せた場合、お子さんが3列目のシートに乗り込もうとすると、ベルトをチャイルドシートから外さなくては、乗り込む事が出来ません。
それは、今回お借りした、キャプテンシート横のセンターコンソール付きのクルマ場合ですが、常にお子さんが3列目に座る場所は、これを付けずに、ウォークスルーにする事で、欠点が解決します。
二点目は、3列目シートの収まる足元が非常に狭い事です。
足元がキャプテンシートの下しかなく、しかも、つま先がピッタリ収まるか、狭すぎて収まらないかくらいスペースがありません。
これは、お子さんが3列目シートを使う前提であれば、欠点にはなりませんが、大人が座ろうとすると、少し無理があります。
三点目は、リヤのラゲージスペースに、ベビーカーが収納出来る高さとスペースが足りない事が欠点です。
ベビーカーが2台必要なお子さんの世帯の場合、ラゲージスペースにベビーカーが並列に2台乗らないと、観光地やテーマパークに行く事に不便を感じてしまうかも知れません。
しかし、3列目シートの左右どちらかを収納してしまえば、直列に入れる事は可能です。座れるシートは、一席減りますが、欠点をカバーする事が出来ます。
このように乗員確保と荷積みを最優先した場合は、ミニバンには敵いませんが、限定的に使いこなす事が出来れば、欠点をカバーする事が可能です。
さらに、クルマの質感、ダイナミクス性能など、ミニバンには薄い、SUVならではの本質が兼ね備えているので、クルマに求める優先順位によって、ミニバンかSUVかが見えて来るだろうと考えています。
大林 寿行 View All
H社及びM社ドイツエンジン部品メーカー2社を経て、国内自動車メーカーの実験エンジニアに従事。主にクルマのエンジン耐久信頼性実験とその研究に携わる。研究においては、H研究所出向中、エンジン内部の要素研究に着手。自動車技術会、SAEへ研究論文を発表し、「ピストンピン打音発生時の潤滑挙動可視化」やM社時代大学の研究室との共同研究「ディーゼル用スチールピストンの摩擦力と特性とスラップ振動の関係」などがある。また、「内燃機関のピストン構造」で特許を出願。しかし、順風満帆な日々は続かず、うつ病を患うことになり、これからの仕事の仕方について真剣に向き合う。情報発信を駆使して、エンジニアからジャーナリストへの転身を見据え、「エンスージアストへの道」ブログを立ち上げ、クルマ系記事を執筆。今年からは、クルマ系動画クリエイターとして独立を果たし、新車及びカー用品のレビューを本格的に実施。ブログ記事執筆によって、動画の新車レビューでお届け出来なかった内容を執筆し、クルマのエッセンスをより詳しく発信。また、カー用品では、デシダルルームミラーを始めとした、主に新車購入時に注目される用品を中心に、海外メーカーからタイアップの話を頂きつつ更新中。クルマを通じて、誰もが楽しいカーライフが得られるきっかけづくりを目指します。