ホンダ CR-V EX・Masterpiece【ホンダらしい7人乗りSUV】
只今、代車としてCR-Vガソリン車の5人乗り仕様のクルマを借りて、日頃の足として使っています。
普段乗りは、ずっとミニバンのステップワゴンハイブリッドでしたが、SUVの魅力についてかなり理解が深まるようになり、ミニバンが飽きたら、SUVに乗り換えたいと考えるほどになって来ました。
今々の私の候補としては、やはりCR-Vのハイブリッドがダントツですが、5人乗りですと今ひとつ車内のユーティリティーは、個性が足りず今ひとつと言った印象を持っていました。
そこで、今回は、ガソリン車だけに設定がある7人乗り仕様のユーティリティーを確認すべく、ホンダカーズふじみ野中央店さんのご協力の元、クルマを確認して来ました。
早速、クルマを確認させてもらい、車内を一通り見させてもらいましたが、ミニバンには使い勝手は劣るものの、SUVの走行性能の良さを加味して考えた場合、ミニバンからの買い替えの候補に上がるほど、ホンダらしい使い勝手の良さがあるクルマである事を第一に感じました。
では、ホンダらしい使い勝手とは、一体どういう所なのか?
それは、当たり前かも知れませんが、使う人間に対して、使いやすさや相違工夫、そして使っていてファンな気持ちにさせてくれる設計がなされているところがホンダらしい所です。
まず1つ目が、フロアの高さが非常に乗りやすい高さになっている事です。
これは、CX-5やCX-8と比較した特に感じた所ですが、これらのクルマに対して、CR-Vはいくらかフロアが低くなっているのではないかと思うのです。
その結果、3列目からの乗り降りが、非常にスムーズに行えるのです。
特にSUVは、ドアの開口部がミニバンに比べてどうしても狭くなるし、シート自体のスライド幅も制限があります。
その結果、非常に乗り降りするのが大変で、しかもフロアが高すぎると、より一層乗り降りが億劫になって来ます。
しかし、このCR-Vは、5人乗り仕様とボディーの大きさは変わらないにもかかわらず、嘘のように乗り降りがスムーズに出来て、積極的に3列目シートに行きたくなるような、そんな気持ちにさせてくれるほど、良い乗り降りの良さを持ちせているところがホンダらしいと感じました。
2つ目がシートアレンジです。
この手のクルマだと、ヒートアレンジが限定的で、背もたれを前に倒すか、シートをスライドさせるかですが、このCR-Vは、2列目の両席のシートを前に跳ね上げる事が出来る機構になっています。
それは、3列目シートに乗り降りさせるために付けられた機構ですが、2列目の空間、そして3列目シートをより一層広々とした空間として使う事が出来る、遊び心を持たせた空間を作り出す事にも一役買っている所がホンダらしいと感じました。
ミニバンを選んで乗っている理由が、退屈しない空間を求めた事もあるのですが、このCR-Vのシートアレンジも2列目が両席跳ね上げる事が出来る事によって、これだけ遊びゴコロをくすぶる空間が作り上げられる事に良さを感じました。
3つ目は、3列目シートの足元が、マツダCX-8やボルボXC90と比べると、かなり広いスペースが確保されている所です。
この2台も7人乗りSUVですが、どちらも大人が3列目シートに座るには、いささか無理がある事を感じました。
その理由が、27.5cmの足のサイズが収まるところがなく、足の行き場の確保が出来ないまま座っていなければならない事だったのです。
スペースは、CR-Vを含めて、どのクルマもそれほど大きくは変わりませんが、足元の狭さが非常にネックで、3列目を座る事を断念せざるを得なかったのです。
当たり前かも知れませんか゛、3列目においても大人でも座れるよう、スペースだけでなく、足の置き場もしっかりと配慮された設計がされており、ホンダらしいと感じたところでした。
以上、要点を掻い摘んでホンダらしい点を紹介しましたが、個性が少ない5人乗り仕様に比べて、7人乗り仕様はホンダらしさを感じる個性豊かな仕様になっています。
車内のユーティリティーだけなら、ステップワゴンから買い換えるだけの購買意欲が湧いて来たのですが、2点ほど残念なところがあります。
それは、ハイブリッド車に7人乗りの設定がない事とギャザズの標準ナビしか設定がないところです。
リチウムイオンバッテリーの搭載位置がちょうど3列目シートの下のフロア廻りで、7人乗りが設定出来なかったと思われますが、それでもホンダなのだから、それでも創意工夫をしてハイブリッドでも7人乗りを設定して欲しいかった。
ナビもスバルのフォレスターには、パナソニック製のステップワゴンにもついている9インチまたは10インチのナビが付いているので、十分なんとかなったはず。
そこが残念で、結果的には、使い勝手、ナビ、ハイブリッドということで、走行性能以外は、ステップワゴンハイブリッドには叶わないという事で、かなり良い線行っているのですが、あと一歩というのが私の率直な感想になります。
ガソリン車でも良いという方は、ぜひ7人乗りを確認して見ることをオススメ致します。
大林 寿行 View All
自動車部品メーカー2社を経て、現在、国内自動車メーカーのエンジニアに従事。主にクルマのエンジン耐久信頼性実験とその研究に携わる。研究においては、エンジン内部の要素研究に着手。自動車技術会、SAEへ研究論文を発表し、「ピストンピン打音発生時の潤滑挙動可視化」や「ディーゼル用スチールピストンの摩擦力と特性とスラップ振動の関係」などがある。また、「内燃機関のピストン構造」で特許を出願。しかし、順風満帆ではなく、うつ病を患うことになり、これからの仕事の仕方について真剣に向き合う。エンジニアからジャーナリストへの転身を見据え、「ジャーナリストへの道」のFacebook page、ブログを立ち上げ、執筆に向けて記事を更新中。成長社会から成熟社会的へ変わる中、社会的な悩みにフォーカスし、読書や実体験を通じて問題解決に至るテーマとコンテンツ、自ら仕事を開拓出来るような道筋を配信。心と身体の健全化を図り、誰もが本当の自分と幸せを手に入れられる時代のきっかけづくりを目指す。