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トヨタ 新型 RAV4 ハイブリッド【TNGA パワートレーン】

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今週の木曜日に発表されたRAV4のハイブリッドに搭載するTNGAパワートレインである2.5L直列4気筒のダイナミックフォースエンジンの特徴について紹介をしたいと思います。

ハイブリッド車に搭載するこのエンジンは、最大熱効率40%と比出力60kW/Lを両立させたエンジンです。

一般的には、トレードオフの関係にある熱効率と出力性能を高い次元で両立させるために、高速燃焼技術を試行錯誤しながら徐々に取り入れて来ています。

それを達成させた技術として、ボア87.5mm×スト103.4mmのロングストローク化、13.0の高圧縮比化とバルブ挟角の拡大、2000年前半にホンダエンジンに搭載されていた後方排気化、多孔噴霧直噴インジェクター、電動可変オイルポンプ、クールドEGR、電動VVTiなどを採用しています。

上記からは、これまで採用された技術と比較しても、大きく目新しさを感じませんが、これらのデバイスを上手く組み合わせて、達成させたい目的があります。

それは、リーンバーン化させて、燃焼温度下げる事により、熱効率を上げて比出力を上げることです。

その試みとしての大きな特徴の一つ目が、高タンブル、高流量インテークポート採用ため、IN-EXバルブの狭角拡大して、レーザークラッドバルブシートと言われる技術を用いて、直線的なポート形状を作り、高い気流の流速を維持して燃焼室にエアを導入している点です。

もう一つは、シリンダーヘッドに2段ウォータージャケットの採用、そして電動ウォーターポンプの採用、EX側にウォータージャケットスペーサの採用により、リーンバーン化による燃焼温度の上昇によるノッキングの発生やNOxを抑えている事です。

これによって、エンジンの回転数と負荷によって、水温と流量を調整することで、燃焼温度をコントロールする事が出来るために、使いたい領域に合わせて最適な燃焼をさせる事が出来、熱効率と比出力、そして燃費性能を両立させる事が出来る事が、このダイナミックフォースエンジンの大きな特徴になります。

ポルシェでは、既に2014年頃からも導入していますが、エンジン回転と負荷が低い市街地走行が多い場所、いわゆる燃費領域では、水温を上げて、流量を下げる事によって、冷却損失やオイル攪拌抵抗を抑え、実用域での燃費性能にも抜かりがありません。

逆に、高回転、高負荷のノッキング制約領域では、水温を下げて、流量を増やすことで、筒内の燃焼温度を下げる事が出来るので、ノッキングが起きない燃焼を実現させて、比出力と熱効率を両立させつつ、高出力エンジンとなっています。

トヨタのダイナミックフォースエンジンは、実用域のエンジン回転数と負荷領域で熱効率40%を達成していますが、実用域に絞った数値です。

従って、WOT領域では、まだまだ熱効率には課題が残されています。

競合のホンダステップワゴンに積まれるLFAエンジンでも40%程度までしか実現が出来ていないと言われていますし、研究段階でも瞬間的に50%達成したレベルです。

しかし、エンジンに搭載される噴射系部品のピエゾインジェクターの導入と高燃圧化による緻密な燃料噴射の実現、補機部品の電動化によって、熱効率がとんどん上がって来ている事も事実です。

従って、ここに来て、改めてガソリンエンジンが見直されて来ていると言って良いのではないかと考えられます。

ちなみに、以前アルファードの紹介の中で、2AR-FXEエンジンをダイナミックフォースエンジンとお伝えしましたが、その前の2.5Lユニットになります。

大林 寿行 View All

自動車部品メーカー2社を経て、現在、国内自動車メーカーのエンジニアに従事。主にクルマのエンジン耐久信頼性実験とその研究に携わる。研究においては、エンジン内部の要素研究に着手。自動車技術会、SAEへ研究論文を発表し、「ピストンピン打音発生時の潤滑挙動可視化」や「ディーゼル用スチールピストンの摩擦力と特性とスラップ振動の関係」などがある。また、「内燃機関のピストン構造」で特許を出願。しかし、順風満帆ではなく、うつ病を患うことになり、これからの仕事の仕方について真剣に向き合う。エンジニアからジャーナリストへの転身を見据え、「ジャーナリストへの道」のFacebook page、ブログを立ち上げ、執筆に向けて記事を更新中。成長社会から成熟社会的へ変わる中、社会的な悩みにフォーカスし、読書や実体験を通じて問題解決に至るテーマとコンテンツ、自ら仕事を開拓出来るような道筋を配信。心と身体の健全化を図り、誰もが本当の自分と幸せを手に入れられる時代のきっかけづくりを目指す。

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