BMW M2 Competition

私の個人的な趣味で、先日、2度目の試乗をしてきました。
もう一度乗りたい!と思うクルマも、最近ではあまりお目にかからなかったような気がします。
ですが、久しぶりに、このM2のコンペティションには、また乗りたいと思う気持ちが絶えませんでした。
それは、3代目のE46 M3を彷彿とさせるスタイルと走りが身体から抜け切らなかったからです。
今回、新たなモデルの撮影のため、320i G20、Z4M40iの試乗目的で、BMW東京ベイにお邪魔してきました。
これらの撮影が終わり、最後にM2コンペティションの試乗でしたが、ズバ抜けて楽しいクルマであった事を改めて感じました。
それは、M performanceモデルやN系エンジン搭載モデルにはない、生粋のMモデルでしか味わえない、エンジンを始動した瞬間からレーシーさ、鳴り響くアイドリング時の鼓動、低速から走り始めた時の駆動のダイレクトフィールの高さ!
これらがしっかりとドライバーが感じ取れる事により、生粋のMモデルであるかどうかがはっきりしてきます。
それに加えて、一般道を走らせている時、駆動のロックアップ、エンジンの持て余す出力、トルクと相まって、アクセルレスポンスが非常にセンシティブで、セーブして走らなければならないので、歯痒さを感じるほどです。
都内の限られた加速ポイントのみで、フルスロットルにした時、Mモデルでしか味わえない、後輪からの微小な横滑り、そこから、縦にトラクションが伝わる事による加速G、それと相まって、エンジンの回転数の上昇と共に、M3専用S54の伝統的6気筒エンジンメカニカルサウンドが鳴り響き、ロックアップの高さによる変速ショックをダイレクトに感じ取れる事により、正真正銘のMモデルである事を確信しました。
そして、この乗り味のフィーリングは、意外にもE46 M3 SMGIIのフィーリングを継承しており、正に、現代のE46 M3である事を確信しました。
さらに、セダンでありながらも、ピュアスポーツを凌駕するかのような、魅力に心を打たれるそんなクルマである事を改めて実感しました。
このクルマは、スポーツカー有無の話ではなく、E46 M3ファンで、現代のM3を味わいたい目的を持っている方に、マッチしたクルマである事が良く分かりました。
許されるなら、MT ポルシェを持ちつつ、このクルマが欲しい、そう思う心を刻まれる素晴らしい一台となりました。
大林 寿行 View All
H社及びM社ドイツエンジン部品メーカー2社を経て、国内自動車メーカーの実験エンジニアに従事。主にクルマのエンジン耐久信頼性実験とその研究に携わる。研究においては、H研究所出向中、エンジン内部の要素研究に着手。自動車技術会、SAEへ研究論文を発表し、「ピストンピン打音発生時の潤滑挙動可視化」やM社時代大学の研究室との共同研究「ディーゼル用スチールピストンの摩擦力と特性とスラップ振動の関係」などがある。また、「内燃機関のピストン構造」で特許を出願。しかし、順風満帆な日々は続かず、うつ病を患うことになり、これからの仕事の仕方について真剣に向き合う。情報発信を駆使して、エンジニアからジャーナリストへの転身を見据え、「エンスージアストへの道」ブログを立ち上げ、クルマ系記事を執筆。今年からは、クルマ系動画クリエイターとして独立を果たし、新車及びカー用品のレビューを本格的に実施。ブログ記事執筆によって、動画の新車レビューでお届け出来なかった内容を執筆し、クルマのエッセンスをより詳しく発信。また、カー用品では、デシダルルームミラーを始めとした、主に新車購入時に注目される用品を中心に、海外メーカーからタイアップの話を頂きつつ更新中。クルマを通じて、誰もが楽しいカーライフが得られるきっかけづくりを目指します。