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Ferrari F355 F1 berlinetta【Porsche 991.2GT3に乗って、355に乗り換えようと思った理由】

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私は、ポルシェ・ボクスター981 GTSのマニュアルに乗っていました。

通常、乗り換える事を考えるなら、991.2マニュアルのGT3に乗り換えるのが普通の発想だと思います。

しかし、私は違いました。

クルマ的な理由だけを挙げると、GT3のクルマの魅力は、我々が一番長い時間乗るだろうと考えられる一般公道では、瞬間的にしかGT3の性能を引き出せない事を経験してしまったからです。

4.0L NAのフラット6エンジンは、最大出力500ps、最高回転数は9000rpm、こんな贅沢なエンジンをマニュアルで操れるクルマは、今となってはこのGT3しか有りません。

走り好きにとっては、これ以上のクルマは無いと言っても良いくらい、動力性能、ブレーキ性能、運動性能、シャシー性能、空力性能を兼ね備えた、走る上では、ケチを付ける所が何も無いクルマです。

しかし、それは、「走る上では」なのです。

GT3で走るフィールドは、クローズドコース、もちろん、一般公道を走る事も可能なくらい、GT3の実用性は非常に高いクルマです。

だけれども、GT3本来の走りの魅力が引き出せるのは、クローズドコースであったり、ドイツのようなアウトバーンで有ったり、もっと高い速度領域且つエンジン回転数を遺憾なく使えるステージに限られてくるように私は思います。

クルマをより速く、より快適に、より安全には、特にドイツ車にとって、モデルチェンジするたびに磨きがかかる性能です。

しかし、昭和の時代から大きく交通事情が変わらない日本の道路事情に対して、どんどんクルマだけがオーバークオリティーになって来ており、本国で引き出す性能の半分も使わずにクルマに乗らなければならない実情に晒されています。

これでは、本来持っている性能やクルマのキャラクターを100%感じ取る事が出来ず、クルマが新しくなるたびに、刺激が感じにくくなって来るとも言えます。

2速9000rpmまで引っ張り、3速に入れた途端140km/hを示し、あっという間に180km/hを振り切ると記憶していますが、この束の間の瞬間だけしか、GT3の魅力を味わう事が出来ません。

言い方を変えれば、既に法定速度を超えているので、これをキッチリと守っている人間だった場合、この瞬間すら、知る事が出来ません。

日常の走行では、多かれ少なかれ、この瞬間しかクルマ本来の刺激を感じ取る事が出来ません。

それにより、物足りなさを感じながら乗ることになってしまうと思い、一度、ドイツ車から離れてみようと思ったことで、355に乗り換えました。

355は、90年代のクルマなので、トラクションコントロール、スタビリティーコントロール、ベクタリング機能等も付いていません。

今のクルマのように質感を求める方向性でもなく、フェラーリらしいコンペティティブなキャラクターで、そのままロードカーにしたクルマなので、エンジンに火を入れて、アイドリングして暖気している時からフェラーリの世界が味わえます。

市街地に出て、止まっている時間が圧倒的に多い時でも、アイドリング1000rpmを保ちながら発進を待つ佇まいが楽しさを生んでいるし、箱根のワインディングのような4000〜5000rpm回転で3、4速を多用して流して走る場所では、フェラーリサウンドは、より一層排圧上昇と共に力強さが増し、より一層楽しさを与えてくれます。

そして、8500rpmまでエンジンを回して走れるクローズドコースでは…と考えると、さらに楽しみが膨らんで来ます。

日常から非日常まで、非日常さが味わえるのが355の大きな魅力で、昔から変わらない日本の道路事情で有っても、遺憾なくスポーツカーの刺激を与えてくれる貴重な一台で有ることを察知し、乗り換えようと思いました。

走りが優秀なクルマを求めることは、間違いでは有りませんが、時として、その優秀さが活かせない場所で乗るならば、違ったクルマの側面を自分に問いただし、別の観点でクルマについて考えてみる事を気づかされました。

数年経ったら、また、速いクルマを選んでいるかも知れませんが、また、その時、理由について考えてみたいと思っています。

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大林 寿行 View All

自動車部品メーカー2社を経て、現在、国内自動車メーカーのエンジニアに従事。主にクルマのエンジン耐久信頼性実験とその研究に携わる。研究においては、エンジン内部の要素研究に着手。自動車技術会、SAEへ研究論文を発表し、「ピストンピン打音発生時の潤滑挙動可視化」や「ディーゼル用スチールピストンの摩擦力と特性とスラップ振動の関係」などがある。また、「内燃機関のピストン構造」で特許を出願。しかし、順風満帆ではなく、うつ病を患うことになり、これからの仕事の仕方について真剣に向き合う。エンジニアからジャーナリストへの転身を見据え、「ジャーナリストへの道」のFacebook page、ブログを立ち上げ、執筆に向けて記事を更新中。成長社会から成熟社会的へ変わる中、社会的な悩みにフォーカスし、読書や実体験を通じて問題解決に至るテーマとコンテンツ、自ら仕事を開拓出来るような道筋を配信。心と身体の健全化を図り、誰もが本当の自分と幸せを手に入れられる時代のきっかけづくりを目指す。

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