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トヨタ GR スープラ RZ【SZと別物の走り】

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先月、箱根でGRスープラRZをお借りして、箱根ターンパイクで走りのインプレッションをしてきました。

箱根と言えば、仙石原にあるfun to driveさんのクルマになりますが、ちょうど、貸し出しの初日に乗って来ました。

目的は、年明けにニコニコレンタカーさんのSZをお借りして、BMW3シリーズMスポーツの走りの印象が強く、RZは、BMWZ4 M40iと兄弟車で有ることから、その延長線の走りだと思っていました。

しかし、恐らくは、GRスープラ RZの実際のオーナーの方々だと思いますが、まったく違う走りだよ!とYouTubeの動画でコメントを貰ったので、RZの走りの性格を確認したいと思っていました。

それがタイミング良く、 フェラーリF355 GTS 6MT PA初期モデルや先日お借りしたポルシェ964 3.3L turboなど、レアなクルマを扱うfun to driveさんがGRスープラRZを2/15から貸し出しが始まるというので、速攻で社長さんに予約のメールをしました。

箱根ターンパイクで走らせた限りのGRスープラRZの走りの性格ですが、SZとはまったく別物の走りの性格を持っている事が良く分かりました。

エンジンは、BMW仕込みの直列6気筒3.0L直噴ツインスクロールターボエンジンで有るが故に、6気筒のシルキーさがBMWに乗っている印象を強く受ける物の、トルクの出方が兄弟車のZ4M40iとは、まったく別物である印象でした。

トルクの立ち上がり方が、Z4M40iのリニア且つツアラー的な穏やか且つ適度な出力特性である一方、アクセル開度全開で加速をさせると、フロントノーズのリフトと一瞬ノーズの向きが変わる加速力を見せます。

もちろんはじめてのクルマで、公道で走らせるので、トラクションコントロールはONの状態で走らせたため、ノーズの向きが変わる瞬間に、リヤの駆動配分が前を向かせるよう制御が働き、スピンに至る事はありませんでした。

通常の走らせ方のエンジンの印象は、Mパフォーマンスと変わらないエンジンフィールですが、一玉、アクセルを踏み込んでエンジンを全開にすると、一瞬で立ち上がる過給圧と500Nmの駆動トルクにより、過激な走りを見せてくれるところが、スープラRZ独特の走り味の印象でした。

また、クルマのハンドリングは、SZ では、NCのロードスターのような、ややリヤ荷重寄りでタイヤが粘り、フロントは、弱アンダーステア傾向で、ドライバーの着座ポイントにクルマの中心軸があるクルマだったのですが、RZは違いました。

直列6気筒エンジン、フロント255/35R19、リヤ275/3519サイズのタイヤ、可変のダンパーを装着しており、ハンドリングにおいてもスープラRZ独特の世界感がありました。

それは、マセラティグランスポーツのフロントエンジン、リヤトランスアクスルのようなハンドリングをFR×ショートホイールベースを持つことで兼ね備えているからです。

それにより、直線を走る時は、SZと変わらないリヤ荷重寄り且つ弱アンダーステア傾向の走りですが、終始リヤ荷重寄りで安定仕切っています。

また、コーナーに差し掛かる所では、フロントミッドにレイアウトされたエンジン及びミッションとショートホイールベースによる重量配分により、あたかもフロントとリヤタイヤが同軸にあるかのような、弱アンダー傾向ながらもソリットなハンドリングを見せてくれる走りが特徴的でした。

最後に、普通に巡航しているノーマルモードの乗り心地は、非常にフラットライドで、路面からの突き上げによるハーシュネスを一切感じない、高級スポーツツアラーと呼ぶに相応しい高い乗り心地を兼ね備えたスープラRZの名に恥じないクルマで有ることが確認出来ました。

走りが気になる方は、ぜひ、箱根での試乗をオススメします。

大林 寿行 View All

H社及びM社ドイツエンジン部品メーカー2社を経て、国内自動車メーカーの実験エンジニアに従事。主にクルマのエンジン耐久信頼性実験とその研究に携わる。研究においては、H研究所出向中、エンジン内部の要素研究に着手。自動車技術会、SAEへ研究論文を発表し、「ピストンピン打音発生時の潤滑挙動可視化」やM社時代大学の研究室との共同研究「ディーゼル用スチールピストンの摩擦力と特性とスラップ振動の関係」などがある。また、「内燃機関のピストン構造」で特許を出願。しかし、順風満帆な日々は続かず、うつ病を患うことになり、これからの仕事の仕方について真剣に向き合う。情報発信を駆使して、エンジニアからジャーナリストへの転身を見据え、「エンスージアストへの道」ブログを立ち上げ、クルマ系記事を執筆。今年からは、クルマ系動画クリエイターとして独立を果たし、新車及びカー用品のレビューを本格的に実施。ブログ記事執筆によって、動画の新車レビューでお届け出来なかった内容を執筆し、クルマのエッセンスをより詳しく発信。また、カー用品では、デシダルルームミラーを始めとした、主に新車購入時に注目される用品を中心に、海外メーカーからタイアップの話を頂きつつ更新中。クルマを通じて、誰もが楽しいカーライフが得られるきっかけづくりを目指します。

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