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Ferrari F355 F1マチックフルード交換及びエア抜きによる改善代

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仲間のエアコン修理が一段落したところで…

F1マチックのフルード交換の仕方を紹介しましたが、この改善代が気になるところです。

元々、闇雲にフルード交換をしていた訳ではなくて、4速から5速にシフトアップする時、ハドルを引いてもシフトアップしない症状が目立つようになりました。

その改善の手立てとしてまず考えられるのが、ATFの粘性の劣化。

ちなみにオイルの役割をすぐ思い浮かぶでしょうか?(笑)

・潤滑作用

・密封作用

・冷却作用

・洗浄作用

・防錆作用

この5つが オイルの作用になりますが、今回のF1マチックのシフトアップしない症状に充てがえてみると、全ての作用で当てはまります。

潤滑作用が悪ければ、アクチュエーターのスリーブとピストンの動きが悪くなり、摩耗が起こり、最後には焼き付いて固着する事が考えられます。

密封作用は、油圧でピストンを動かして、ミッションのシフターが動いているので、密封が悪くなれば、ピストンの動きが鈍くなったり、ストローク量が減る事になるので、ギヤが入りになる事が考えられます。

冷却作用は、油圧モーターにより、油圧ラインが高圧化しているので、温度が高い状態です。また、F355の場合、マフラー横にPCUが位置するので、雰囲気温度もパンパ有りません。

従って、装置内部に溜まった温度を逃さなければ、潤滑作用、密封作用が低下してしまい、システムの機能を果たさなくなることが容易に想定出来ます。

洗浄作用は、機械部品の固まりですので、長期おいて作動し続けると、僅かな鉄粉、コンタミ、スラッジ等が堆積してきます。

その抑える働きをしているのがやはりオイルで、常にシステムのオイルラインを良好な状態を保ち、未然にシステムのトラブルを防いでいますが、長期間オイル交換をしないと、オイルライン内にスラッジ等の異物が堆積してしまい、システムが正常に作動しなくなる事が考えられます。

最後に、防錆作用ですが、これは機械部品尚且金属部品のため、油膜が形成されていないと外部からの湿気や水により、金属が腐食してしまいます。

腐食してしまうとどうなるか? 機能そのものが働かなくなることは、誰でも容易に想像出来ます。

以上よりオイルは、機械部品の作動と密接な関係を持っているので、システムを良好に保つ上で、オイル管理はかなり重要です。

今回のオイル交換により、主に密封作用を期待しました。

先程も書いた通りで、密封作用は、油圧でピストンを動かして、ミッションのシフターが動いているので、密封が悪くなれば、ピストンの動きが鈍くなったり、ストローク量が減る事になるので、オイルを変えることで、システムが正常に戻る事を期待しました。

結果は….

正常に入るようになりました!

新油による粘性の改善も影響しているでしょうが、エア抜きによる影響で、システムの作動が安定するようになったのではないかと考えています。

詳細は、前回のブログにも投稿しましたので、そちらを見て頂ければと思いますが、エアが噛んでいると昇圧する応答性が鈍くなり、作動の遅延が発生します。

ブレーキもそうですが、エビス東のような、高低差が激しいサーキットですと、パッドとローターの摩擦による発熱量が半端ないので、キャリパー内部に介在するオイルは、あっという間に沸騰状態に至ります。

そうすると、エアが発生し、最悪は、ブレーキを踏んでもペダルが抜けて、止まらない症状が出たりすることがありますが、発熱量はそこまでではなくとも、リザーブタンクを返したオイルラインになっているので、どうしてもエアが入ってしまいます。

また、作動を繰り返して行くと、オイル自体も微妙にリークしてしまうようなので、オイルレベルが著しく少なくなると、エアが噛みやすくなり、作動が安定しなくなる事も考えられます。

ですので、F1マチックが変速しにくくなる軽度なトラブルに見舞われた時は、エア抜きを疑った方がよく、明らかに安定するので、やることによる効果は滴面です。

1Lしかオイルが入らないので、タンクにオイルを充填しながら、ブリーダープラグよりオイルとエアを同時に抜く事によって、F1マチックのコンディションは大きく変わるので、是非、作動が安定しなくなった、長期オイル交換をしていない方は、直ぐにでも作業されることを強くオススメ致します。

●今回使ったモチュールのATF

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大林 寿行 View All

H社及びM社ドイツエンジン部品メーカー2社を経て、国内自動車メーカーの実験エンジニアに従事。主にクルマのエンジン耐久信頼性実験とその研究に携わる。研究においては、H研究所出向中、エンジン内部の要素研究に着手。自動車技術会、SAEへ研究論文を発表し、「ピストンピン打音発生時の潤滑挙動可視化」やM社時代大学の研究室との共同研究「ディーゼル用スチールピストンの摩擦力と特性とスラップ振動の関係」などがある。また、「内燃機関のピストン構造」で特許を出願。しかし、順風満帆な日々は続かず、うつ病を患うことになり、これからの仕事の仕方について真剣に向き合う。情報発信を駆使して、エンジニアからジャーナリストへの転身を見据え、「エンスージアストへの道」ブログを立ち上げ、クルマ系記事を執筆。今年からは、クルマ系動画クリエイターとして独立を果たし、新車及びカー用品のレビューを本格的に実施。ブログ記事執筆によって、動画の新車レビューでお届け出来なかった内容を執筆し、クルマのエッセンスをより詳しく発信。また、カー用品では、デシダルルームミラーを始めとした、主に新車購入時に注目される用品を中心に、海外メーカーからタイアップの話を頂きつつ更新中。クルマを通じて、誰もが楽しいカーライフが得られるきっかけづくりを目指します。

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