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Ferrari F355 世界欠品に纏わるブロアレジスターの入手方法

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前回のブログで、ブロアレジスターの原因により、エアコンの風量調整が出来ない事を書きました。

通常のクルマだったら、普通に部品を注文して、パーツだけ交換すれば、すぐに直ってしまう所ですが、Ferrari F355の部品調達は、そんなに話は甘くありません。

まずは直す事を考えた時、純正品がないか調べると思うので、純正品の話をすると、物は世界欠品しています。

どこの部品屋さんに聞き回っても、手に入りません。

ただし、調べて行くと、まったく手に入らない訳でも有りません。

それは、エバポレーターをAssyごと購入すれば、手に入れる事が出来るからです。

しかし、価格は、ヤフオクで出されているPA初期物で40万円〜、海外の部品屋さんでは、70万円くらいになりますが、明らかに一桁違います。

もう一つの方法として、リペア出来ないかを考えます。

以前のブログで紹介したエアコンECUのリペアは、千葉にあるPRIZEさんが得意とするサービスですが、レジスターのリペアは、あまり聞きません。

実際に、図面の入手、壊れている部位の特定、それに伴う交換用半導体が選定出来れば、リペア出来るだろうと思いますが、20年以上経っている現在でも、残念ながら、あまりポピュラーな修理では無いように思います。

実際、海外のF355乗りの方は、どのような対応を取られているのか?多くの方々に意見を伺う機会があり、Facebookpageの有効性をはじめて感じた瞬間でした。

話を伺った結果、純正部品を手元に残しているのが、通常だったりします。

世界欠品だからと言っても、Ferrari F355は、Ferrariの中でも1万台を超えるヒット作であり、実際問題部品がまったく無い訳ではありません。

個人で部品をストックしているため、部品が出回っていないと考えられます。

従って、今、純正品を手に入れたいのであれば、エバポをまるごとAssyで購入するか、個人のFerrari乗りから、個人売買で譲ってもらう、この2つの選択しかないと考えます。

ただし、個人でパーツの売買と言っても、恐らくは、数十万の価格を要求して来る事は、容易に予想出来るでしょう。

今回、私は、仲間のクルマを預かり、クルマの故障診断をして、ECUとブロアレジスタに不具合が出ていることを突き止めました。

ECUは、No氏の手でリペアを施し、ブロアーが回るようになった事は確認した物の、肝心のレジスターが壊れていて、エアコンの機能が果たせないままになっていました。

そんな中、流用出来る物がないかを調べるために、Na氏のブロアレジスターを分解してしまったのです。

これが大問題なんです!!

無傷で分解出来ればよかったのですが、ヒートシンクにトランジスタがボルト留されている構造で、一度、半田を吸い取らないと分解出来ない構造になっています。

それを知らず、且つ、どうせもう使えないからとの思い込みで、メスを入れてしまった(笑)

クラシックFerrariを扱う場合は、これが大きなリスクに繋がります!

これによって、リペアの手立てがまったく出来ない、後戻りが出来ない状況に陥ってしまいます。

そのため、なんとしても、代替品を見つけなければならない状況でした。

最悪は、自分の車両に付いている純正品があるので、これを付けて直そうかと思っていました。

ただ、意地でも見つけてやる!!根性で、今回は、調べられることをとことんやって、なんとか代替品を入手することが出来ました。

しかも、その代替品も国内でネット販売している所では、最後の一つでした。

さらに、それを使えば、「動くはず」だと、実際に車体に付けて見なければ、本当に動くのか、さらに、正常に作動するのか未知数でした。

そこで、ダメ元で買って、作動確認をしました。

おかげさまで、今回は、的中しました!

これで、エアコンの風量調整が出来るレジスタが手に入ったことから、私がF355のレジスタを粉砕してしまった責任から解放される事になりました(笑)

また、純正品の世界欠品から、もう一つ作動確認済みの代替品の選択肢が増えた事によって、少しでもF355が稼働してくれる期間が潜在的に伸びたのではないかと、少し趣味の延長線から、社会貢献出来るようになってきました。

今回のブログでは、世界欠品に纏わるブロアレジスターの入手方法について、いくつかプロセスを通じてお伝えを致しました。

じゃあ具体的に、何を入手したのかは、かなり時間と手間がかかりましたが、何らかの形で、別途お伝えしたいと思っています。

大林 寿行 View All

H社及びM社ドイツエンジン部品メーカー2社を経て、国内自動車メーカーの実験エンジニアに従事。主にクルマのエンジン耐久信頼性実験とその研究に携わる。研究においては、H研究所出向中、エンジン内部の要素研究に着手。自動車技術会、SAEへ研究論文を発表し、「ピストンピン打音発生時の潤滑挙動可視化」やM社時代大学の研究室との共同研究「ディーゼル用スチールピストンの摩擦力と特性とスラップ振動の関係」などがある。また、「内燃機関のピストン構造」で特許を出願。しかし、順風満帆な日々は続かず、うつ病を患うことになり、これからの仕事の仕方について真剣に向き合う。情報発信を駆使して、エンジニアからジャーナリストへの転身を見据え、「エンスージアストへの道」ブログを立ち上げ、クルマ系記事を執筆。今年からは、クルマ系動画クリエイターとして独立を果たし、新車及びカー用品のレビューを本格的に実施。ブログ記事執筆によって、動画の新車レビューでお届け出来なかった内容を執筆し、クルマのエッセンスをより詳しく発信。また、カー用品では、デシダルルームミラーを始めとした、主に新車購入時に注目される用品を中心に、海外メーカーからタイアップの話を頂きつつ更新中。クルマを通じて、誰もが楽しいカーライフが得られるきっかけづくりを目指します。

One thought on “Ferrari F355 世界欠品に纏わるブロアレジスターの入手方法 Leave a comment

  1. 私のエアコン不調はマグネットクラッチでした。
    何年もかかってわかりました。エアコンが効いたり効かなかったりはマグネットが、入らなかったのです?ついに最近マグネットクラッチが入らないようになりやっとわかりました。

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