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今だからこそ、ネオクラシックフェラーリに乗る──Vol.7【フェラーリのオイル交換は高いのか?】

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国産普通乗用車の価格のおおよそ4.6倍。

私の場合ですが、クルマを購入して1年1万キロ走行で、オイル交換は2回のみです。

一度目は、オイル交換のみ、2度目は、オイル及びフィルター交換です。

ネオクラシック系のフェラーリの場合、耐久性が高くなっている現代のクルマと比べると、よく不具合が起きるイメージがあります。

そのため、普段から足車として乗る頻度は極めて少なく、年数に対して距離が伸びないため、オイル交換の頻度は少なくなります。

頻繁に乗ったり、サーキット走行等で酷使されたりする場合は、この限りでは無い事は、言うまでもありません。

国産普通乗用車のおおよそ4.6倍の内訳。

国産車のホンダステップワゴンHVと比較した場合、5000〜10000キロ毎ごと、または、6ヶ月点検時にオイル交換、12ヶ月点検時にオイルとフィルター交換するのがホンダディーラーの整備です。

これに対して、F355も国産車とオイルの交換周期は、大きく変わりません。

フェラーリF355ホンダステップワゴンHV
オイルフェラーリ指定
Shell HELIX ULTRA
5W-40 SP

¥28,438(20L)
⇒¥ 14,219(10L/1回分)
ホンダ純正
ウルトラLEO 0W-20 SN
¥14,200(20L)
⇒¥2,840 (4L/1回分)
フィルターフェラーリ純正 197654
¥5,100(1ケ)
ホンダ純正 15400-RTA-003
¥1,320(1ケ)
費用¥19,319
(21/3/3現在 Amazon価格)
¥4,160
(21/3/3現在 Amazon価格)
※ホンダステップワゴンHVに比べて、フェラーリF355はおおよそ4.6倍。

オイル交換は、オイル及びフィルターだけでは完了しない。

上記、オイル及びフィルターの価格は、Amazon及びヤフオクで購入した価格です。

自分で交換する場合は、ネットから安く購入出来るので、ランニングコストを抑える事が出来ますが、その他にも用意しなければならないものがあります。

フェラーリ F355の場合は、潤滑方式がドライサンプ式のため、エンジン下のオイルサンプのドレンとオイルタンクのドレンの2箇所からオイルを抜きます。

その時に交換しなければならないのが、ドレンワッシャーになります。

サイズが特殊なので、ホームセンターに売っている事が少なく、事前にAmazonで購入しておくことをオススメします。

名称サイズ個数価格
オイル
サンプ
ドレン

ワッシャー
M22
Φ28mm
t=1.5mm
1¥1,299
オイル
タンク
ドレン

ワッシャー
M16
Φ22mm
t=1.5mm
1

更に、はじめてフィルターを交換される方は、フィルターソケットや12mmヘキサゴンソケットも必要になるケースがあるので、こちらも事前に購入しておくことをオススメします。

名称品番価格
KTCオイルフィルターレンチ AVSA-B86¥1,964
KTC9.5mm(3/8レンチ)ヘキサゴン ビットソケット 12mmBT312¥714

ライバルのポルシェと比べると?

ポルシェ・ボクスターGTSで使っていたブランドオイルMOBIL 1 SN 5W-50と比べた場合でも、20%程度F355の方が高いです。

フェラーリF355ポルシェ ボクスターGTS
オイルフェラーリ指定 Shell HELIX ULTRA 5W-40 SP
¥28,438(20L)
⇒¥ 14,219(10L/1回分)
ポルシェ指定
MOBIL 1 SN 5W-50 SN ¥34,980(20L)
⇒¥13,118(7.5L/1回分)
フィルターフェラーリ純正 197654
¥5,100(1ケ)
ポルシェ純正
¥3,076(1ケ)
費用¥19,319
(21/3/3現在 Amazon価格)
¥16,194
(21/3/3現在 Amazon価格)
※ポルシェ・ボクスターGTSに比べて、フェラーリF355はおおよそ20%高い。

結局、国産車と比べると4.6倍コスト高で、ライバルのポルシェと比較をしても、20%程度高い事が分かりました。しかも、この価格の比較には前提条件が有って、ネットで安く仕入れて、自分でメンテナンスをした場合です。

ディーラー等で交換して貰う場合には、オイル及びフィルター費用が上乗せされており、更に、ドレンワッシャーの費用やオイル交換及びフィルター交換工賃も上乗せされるので、表の費用から2.5~3倍程度の費用がかかってきます。

もちろん、安定したオイルの性能(潤滑、密封、冷却、洗浄、防錆作用、作動機能)は求められますが、普段、オイルの使用限度値まで油温が上昇するような高負荷な走行において、性能が安定するように作られている事がほとんどで、サーキット等を連続周回するようなシビアコンディションでない限りは求められません。

むしろ、軽負荷で走らせつつ、エンジンオン・オフの頻度が多く、油温が昇温し切らない状態で稼働させると、オイルに湿気が伴いやすくなり、オイル自体がヘドロ状となって、エンジン内部にデポジットが堆積してしまう事の方が問題で、日本の道路を走るヨーロッパ車のヘッドカバーを開けてみるとよくみられます。

私の場合は

従って、普段ノーマル車で公道を走る上では、高い性能のオイルを入れる恩恵は少なく、比較的安価なプライベートプランドのオイルを選んで、オイル交換頻度を増やして上げる事が、機関を良好に保ちつつ、オイル交換のコストが抑えられるのでオススメです。

私は、今現在、オリジナルブランドの合成油を使っていますが、指定オイルとの違いは、主にシビアコンディションを想定したメーカーが行う試験実績の有無だけで、オイル自体の中身は、大きくは変わりません。

さらに、F355当時は、SJ規格でしたが、今では、最新の規格、SPまたはSN規格を満たしたハイクオリティーオイルに進化しており、純正で定められている低温時と高温時の粘度が同等のグレードを使用するのが、一番コスパが高いと考えられます。

F355
フェラーリ指定(化学合成油)
F355
オリジナルブランド(合成油)
オイル Shell HELIX ULTRA 5W-40 SP
¥28,438(20L)
⇒¥ 14,219(10L/1回分)
Techno Power 10W-40 SN
¥10,945(20L)
⇒¥5,473(10L/1回分)
※フェラーリ指定に対して、オリジナルブランドは、おおよそ61%OFF

大林 寿行 View All

H社及びM社ドイツエンジン部品メーカー2社を経て、国内自動車メーカーの実験エンジニアに従事。主にクルマのエンジン耐久信頼性実験とその研究に携わる。研究においては、H研究所出向中、エンジン内部の要素研究に着手。自動車技術会、SAEへ研究論文を発表し、「ピストンピン打音発生時の潤滑挙動可視化」やM社時代大学の研究室との共同研究「ディーゼル用スチールピストンの摩擦力と特性とスラップ振動の関係」などがある。また、「内燃機関のピストン構造」で特許を出願。しかし、順風満帆な日々は続かず、うつ病を患うことになり、これからの仕事の仕方について真剣に向き合う。情報発信を駆使して、エンジニアからジャーナリストへの転身を見据え、「エンスージアストへの道」ブログを立ち上げ、クルマ系記事を執筆。今年からは、クルマ系動画クリエイターとして独立を果たし、新車及びカー用品のレビューを本格的に実施。ブログ記事執筆によって、動画の新車レビューでお届け出来なかった内容を執筆し、クルマのエッセンスをより詳しく発信。また、カー用品では、デシダルルームミラーを始めとした、主に新車購入時に注目される用品を中心に、海外メーカーからタイアップの話を頂きつつ更新中。クルマを通じて、誰もが楽しいカーライフが得られるきっかけづくりを目指します。

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