「AUTO-VOX T10」STARVIS 2 IMX662搭載 純正交換タイプ デジタルインナーミラードライブレコーダーの実機レビューと評価

デジタルミラー

こんにちは。元エンジン要素研究員上がりの自称モータージャーナリストの大林寿行です。

今年の1月に2025年最新モデルの「AUTO-VOX T9 Pro」10インチデジタルインナーミラードライブレコーダーをYouTubeでレビューしました。

2021年2月にMAXWINさんのMDR-A001 デジタルミラーをレビューさせて頂いて以来、そろそろ丸4年が経とうとしていますが、これまでレビューしてきたデジタルミラーの中で最も高画質で、ミラーに手が入ってしまうかのような透き通った映像であるデジタルミラーであると評価しました。

更に9月にT9 Proの後継モデルである「AUTO-VOX T10」が登場となりましたが、デジタルミラー本体に変更は観られない物の、イメージセンサーがSONY STARVIS IMX307からSTARVIS 2  IMX662へと変更となり、前後カメラが新しくなったモデルが登場しました。

それにより、暗所性能とダイナミックレンジが向上する事で、特に夜間の映像の向上が期待出来るかと思います。

そこで今回は、AUTO-VOX T10を検討されている方に、SONY STARVIS 2 IMX662センサー搭載により、新しいカメラとなったT10の映像は更に向上したのか? また、最新モデルのT10と従来モデルのT9 Proとで、どちらを購入したら良いのか?をご紹介を致します。

AUTO-VOX T10

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T10のスペックと特徴

「T10」のスペックは以下の通りです。

AUTO-VOX T10
25.09月頃発売
画面サイズ : 10インチ
画面輝度 : 不明
オート輝度調整付き
デジタルズーム無し
フロントカメラ:1920×1440P/27.5fps
リアカメラ:1920×1080P/25fps
解像度 : 前後200万画素
イメージセンサー
フロントカメラ: GC2053
リヤカメラ: STARVIS2 IMX662
LED信号対応
レンズ視野角 : 前170度/後150度
リアカメラケーブル長さ: 不明
micro SD: 8〜64GBに対応
GPS外付け
駐車監視モード : 衝撃検知のみ
タッチパネル式
バック連動付き

この製品の特徴を簡単に説明すると、本体自体は、先代モデルT9及びT9Proからのキャリーオーバーとなっているので、仕様自体か変わっていないと思われます。

デジタルミラーの輝度値は公表されていませんが、昼間は十分すぎる明るさで、前回ご紹介したPRD81Cと比較をしても、全く劣っていないので、1200cd/㎡くらいだと思われます。

また、オート輝度調整が搭載されているので、周囲の明るさに応じて輝度の調整をしてくれます。昼間の輝度に対して、夜間は自動的に輝度を下げてくれるので、高輝度であっても眩しくなる事はありません。

更に、T10の大きな変更点が、カメラ内部のイメージセンサーが一新され、STARVIS IMX307からSTARVIS 2 IMX662(共に200万画素センサー)へと変わった事で、低照度での高画質化(暗い場所のノイズ低減・階調を保った映像の実現)とダイナミックレンジの向上 (白飛び・黒潰れの抑制)により、夜間の映像の向上が期待出来ます。

但し、前後カメラ共にSTARVIS 2が搭載されているのかが具体的に記載されていなかったので、メーカー担当者へ確認した所、フロントカメラは中国メーカーの格科微電子(GalaxyCore) 200万画素センサーのGC2053が搭載され、リヤカメラにSTARVIS 2 IMX662が搭載されているとの事でしたので、主にデジタルミラーに表示されるリヤの映像についてレビューして行きたいと思います。

セット内容とデザイン

今回は、AUTO-VOXさんよりご提供頂いたサンプルで実機テストを行いました。

セット内容は以下の通りです。

  • デジタルミラー本体
  • フロントカメラ
  • リヤカメラ
  • リヤカメラ取り付けステー
  • 駐車監視ケーブル
  • ビューズホルダー
  • リヤカメラ中継ケーブル
  • 4種アダプター
  • 説明書
  • 保証書

デジタルミラー本体

以下、本体は、純正交換タイプのデジタルインナーミラーとなります。取り付けた車両は、ホンダフィットGK3型ですが、標準ブラケットで装着可能となっています。

本体及びディスプレイは台形形状で、また、他社のミラーに対して、薄型になっていますので、スマートなデザインとなっています。また、感光センサーが搭載されており、オート輝度調整機能付きです。

本体中央下のメクラ栓を開くとmicro SDカードスロット、MINI USB端子、リセットボタンが搭載されています。micro SDカードは付属していません。

フロント/リヤカメラ

フロントカメラの外観は、先代モデルのT9 Proと同様で、フロントガラスに設置する車内カメラタイプです。

 

 

リヤカメラは、先代モデルの車内外兼用タイプと異なり、リヤガラスに設置する車内カメラタイプのみとなります。

また、イメージセンサーがバージョンアップされ、SONY STARVIS 2 IMX662搭載の200万画素センサーとなっており、後カメラに搭載されています。

駐車監視ケーブル

本製品の駐車監視ケーブル(電源ケーブル)は、シガーソケット対応ではなく、車両のヒューズボックス等に取り付けられる3芯ケーブルとなっています。

常時及びアクセサリー配線にはギボシが取り付けられており、ヒューズホルダーを用いて、車載のヒューズボックスから電源を取る方式となっています。ヒューズホルダーには3Aヒューズが付いています。

中継ケーブル

リヤカメラに接続するバック連動線が付いた中継ケーブルです。長さは不明ですが、PRD81と同等でしたので、約8mほどだと思われます。

リヤカメラ用ブラケット

T9 Proの車内外兼用カメラ用のブラケットが付属していますが、T10は車内カメラとなりますので、このブラケットは使用しません。恐らく、製造ラインの共有化のため、付属されていると思われます。

保証書

通常は12ヶ月保証ですが、以下の3つの方法でカスタマーセンターに注文番号を送信すると、更に6ヶ月保証が延長されます。

取り付け例及び配線の這わせ方

次に取り付け例をです。ホンダフィット GK3型に装着しました。

AUTO-VOXは、取り付けアダプターが4つ付属されていますが、使用する事なく、そのまま取り付けする事が出来ました。

また、ミラーからの配線は2本出ており、分離式フロントカメラからの配線もあるので、3つの配線がミラー周辺に介在し、ルーフライニング裏に隠しながら配線を這わせて行きます。

ミラー自体の厚みが薄型になっており、取り付け後も非常にすっきりしており、先進性が感じ取れる外観となっています。また、オート輝度調整機能が付いているので、感光センサーが右側ミラー裏に搭載されています。

フロントカメラは、デジタルミラー左前のフロントガラスに装着しました。

リヤカメラは、車内設置タイプとなりますので、リヤハッチガラスのセンター付近に設置しました。設置後、レンズの上下方向のアングル調整が可能です。

GPSは、フロントガラス上部左側に常設している物を使用しました。

ミラーから出ている2本の配線とカメラから出ている1本の配線は、どうしても隠せない構造となっています。

ミラー本体と駐車監視ケーブルを繋ぐ黄色のコネクターとミラー本体とフロントカメラを繋ぐ黒いコネクターは、助手席側左上のルーフライニング裏に隠して配線を這わせました。

ミラー本体の黄色のコネクターと繋ぐ駐車監視ケーブルは、フロアマット下に隠す事が出来るレイアウトになっています。

また、3.5mmジャックプラグ式のGPSを繋ぐコネクターとリヤカメラと繋がる中継ケーブルの黒いコネクターも同じ配置になるので、配線は這わせやすくなっています。

駐車監視の常時及びアクセサリー配線には、10Aのヒューズが搭載されています。

リヤカメラと駐車監視ケーブルを繋ぐ中継ケーブルの長さにも余裕があり、配線の長さは公表されていませんが8mくらいで、下から配線を通しても短さは全く気になりませんでした。

リヤカメラ自体のケーブルは1.5mあり、ラージクラスミニバンでも余裕のある長さとなっています。また、中継ケーブルの赤色のバック連動線は、バックライト+側とバイパスさせています。

インターフェイス

画面上の機能

本製品の画面は、時刻・日付・メーカーロゴを非表示に設定する事が出来ます。

更に、micro SDカードを挿入しなければ、左上に録画中の赤丸のアイコンも表示されず、純デジタルミラー風に使用する事が可能です。ドラレコの機能は使わず、純デジタルミラーとして使用したい場合、micro SDカードを抜いて使用する事も出来ます。

もちろん、時間・日付・曜日を表示して使用する事も可能です。

画面をタップすると、アイコンが表示されます。

時間・日付・曜日の下を長押しすると、アクセサリモードに切り替わり、速度と方位計が表示されます。

前後カメラ分割画面に切り替える事も可能です。

前方の映像のみに切り替える事も可能です。

画面をフリックすると、バック連動時の上下アングルとガイドラインの調整をする事が可能です。

このデジタルミラーの収録動画は、画面上で確認する事が可能です。最近のデジタルミラーは、スマホとWiFi接続し、専用アプリで収録動画の管理が出来る製品が多くなっていますが、この製品は非搭載となっています。

前方の収録動画の映像。

後方の収録動画の映像。

設定項目

設定項目は以下の通りです。

解像度は、1080Pまたは720Pから設定が可能。

ループ録画は、1・3・5分から設定が可能。

駐車監視モードは衝撃検知モードのみとなり、感度設定は高・中・低と3段階で設定が可能。

LCDパワーセーブは、一定時間経過後に画面がオフになる機能で、オフ・1分・3分の3段階で設定が可能です。

また、保護レベルは、常時録画中に衝撃検出をした場合、イベント録画として収録される検知感度レベルで、オフ・高・中・低の4段階で設定が可能です。

カメラが自動的に切り替えは、設定ONの場合、前方カメラ表示の場合、30秒後自動的にリヤカメラの表示に切り替わります。好みに応じて、オン・オフの設定が可能です。

デジタルミラーとしての画質

視野角と後続車両の距離感

後方の視野角は150度となっており、デジタルズーム機能は付いていないので、特に走行中の後続車両の距離感に違和感を感じる場合は、デジタルズームが付いている製品を検討された方が良いと思います。

後方周囲の見通しは非常に良いですが、後続車両との距離感は実際よりも遠くに見えてしまい、後方車両が追い越しをかける場合など、サイドミラーを目視すると、思ったよりも車が前を走っているので、錯覚が生じる場合があります。

その際、急なレーンチェンジの際、接触する危険性がありますので、サイドミラーを見て、判断する必要があります。

一方、駐車中の至近距離の後方車両の視界は、実際の距離よりも近づいて見えます。

バックカメラの映像では、後方車両との距離は、ミラーよりも空いているのが分かります。

実際に目視してみると、バックカメラの距離感と同等で、駐車中のミラーの後方視界は、実際よりも近くに後方車両が見えるため、安全マージンがあると言えますので、特に注意する必要はないと思います。

画面の明るさと反射のしにくさ(モニターの輝度)

最大輝度値は公表されていませんが、以前ブログで紹介したPORMIDO PRD81Cが1200cd/㎡でしたが、それと同等の明るさとなっています。

よって、昼間の晴れている状況下でも、デジタルミラーが反射する事なく、後方の映像がくっきりと映ります。

昼間の逆光補正(HDR補正)

光が差し込む駐車場の出入口が白飛びしており、外側の様子は目視する事が出来ませんでした。

夜間のヘッドライトの防眩効果(HDR補正)

後方車両から照らされているヘッドライトの光は補正されており、防眩効果により、後方の状況はしっかりと目視する事が出来ました。また、それにより、夜間でもナンバー認識が可能でした。

夜間の市街地の明るさ(WDR補正)

駅前ロータリー付近の明るい通りでは、後方の視界はしっかりと映し出されていました。ただ、映像の色彩が白黒っぽく、全体的にモノクロっぽい印象を受けました。

過去に当方のYouTubeチャンネルで、パイオニア VREC-MS700Dをレビューしましたが、同じSTARVIS2搭載モデルですが、同じような映像の印象でした。

国道16号線などの薄暗い場所でも明暗差は非常に少なく、後方視界はしっかりと映し出されていました。

夜間の暗い場所での明るさ(WDR補正)

照明がほとんど無い真っ暗闇の農道では、道幅や側道の金網が僅かながら確認する事が出来ますが、黒潰れや滲みが出ており、映像が劣化している印象を受けました。

ナンバーの読み取り(リヤカメラ解像度)

リヤカメラの解像度はFHD(1920×1080P)で、ミラー上でもしっかりとナンバーが読み取れました。

ドラレコとしての画質

録画視野角(カメラ)

フロントカメラの視野角は、VANTRUE N5Sのフロントカメラの視野角が対角165度に対して、本製品は170度と公表されていますが、ぼぼ同じ視野角となっていました。

リヤカメラの視野角は、N5Sのリヤカメラの視野角は160度に対して、本製品は150度と公表されていますが、それよりも少し狭角となっており、デジタルミラーとして解像度重視に振った視野角になっていました。

逆光補正能力(HDR)

前後カメラの映像を確認すると、どちらも白飛びが出ており、光が差し込む駐車場の外の様子は収録出来ていませんでした。

ナンバー認識(解像度)

前後カメラ共にナンバー認識は出来ており、一般的な200万画素相当の画質で収録出来ていました。

夜間は、前方カメラの収録動画に白飛びが見られ、ヘッドライトを照らしている状況では、前方車両のナンバー認識は出来ませんでした。

後方カメラの収録動画は、防眩効果により後方車両のヘッドライトの明るさが抑えられており、ナンバー認識が出来ました。

夜間の明るさ(WDR)

駅前のロータリー等の街灯がある場所では、前後共に明朝差が少なく、周囲の状況はしっかりと収録が出来ていました。

また、前方カメラの収録動画は、昼夜問わず後方に比べると露出を効かせたような映像になっており、全体的に映像が白っぽくなっています。

街灯が非常に少ない農道では、前後カメラ共に一般的なドラレコと大差はなく、光源がない場所では黒潰れが見られました。

駐車監視の機能

衝撃検知機能

駐車監視モードを低・中・高のいずれかを選択すると、衝撃検知による駐車監視が運用出来ます。衝撃を検知してから数秒後に本体が起動してから収録されるので、衝撃が加わった後の動画となります。

衝撃が加わった後に本体が起動し、1分間イベント録画として収録されます。よって、駐車監視中に起こった被害の決定的瞬間を捉える事が出来ない確率が高いです。

しかし、待機電力を抑える事が出来るので、車のバッテリー上がりを抑える事が出来るメリットがあります。駐車監視は全く収録しないよりは、した方が良いと思われている方向けです。

地デジノイズの影響

今回、MAXWINの地デジチューナー FT44Hを使用して確認しました。

デジタルミラー前後の映像及びモニター自体にノイズが出る事はありませんでした。

また、地上波の受信を妨げる事なく、番組の視聴も可能でした。電波干渉により、フルセグで映っていたのが、ワンゼクのみでしか映らなくなる例がありますが、アフターメーカーのデジタルミラー及びドライブレコーダーは、全ての車種に対応している訳ではないので、電波干渉の有無は参考程度とお考え下さい。

総評

最後に「AUTO-VOX T10」の総評です。

まず、前作のAUTO-VOX T9 Proの映像の完成度があまりにも高く、SONY STARVIS IMX307センサー採用機種としては、完成の域に達しているデジタルミラーでした。

今回レビューした後継モデルのT10は、後方カメラにSTARVIS 2搭載により、ダイナミックレンジの向上と暗所性能の強化が強化され、更に映像に磨きのかかったデジタルミラーだと期待していました。

しかし、前方カメラの映像は、昼夜問わず全体的に白っぽく、また、夜間のヘッドライトの照射による白飛びでナンバー認識が出来ませんでした。

また、 後方カメラは、農道の暗闇での映像は黒潰れしており、暗所性能が従来モデルに対して向上しているように捉える事が出来ず、まだまだSTARVIS 2による映像のチューニングが煮詰まっていない印象でした。

よって、完成の域に達しているT9 Proの映像に対しては、全体的に劣っているモデルと感じましたので、現時点では、T9 Proをおすすめしますし、今後、STARVIS 2搭載モデルの熟成モデルとして、T10 Proに期待したいと思いました。

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