※2025/9/13 更新 : カレラGTの追加記事とPCセンター横浜青葉に並んでいた当時の981ボクスターGTSの写真を追加
※2025/9/10 更新 : 981 ボクスター GTSのオプション詳細を追記
こんにちは。元エンジン要素研究員上がりの自称モータージャーナリストの大林寿行です。
早いもので、ポルシェと出会ったのは8年もの前の事になりますが、2017年にポルシェセンター横浜青葉さんで、偶然、ネットのカーセンサーを見ていたら、当時、総額1000万円超の価格で、委託販売としてショールームに並んでいた車でした。
↑ポルシェセンター横浜青葉で初対面した981GTS。当時、718ボクスターも検討をしていたのですが、現車を見たら後戻りが出来ず、帰る前には契約が完了していました。
左ハンドル、6速マニュアル、PCCB(ポルシェカーボンセラミックブレーキ)、スポーツシャシー、バンパー等の同色カラード仕上げ等のオプションで、ポルシェとしては、非常に少ないオプション内容でした。
そもそもこのボクスター981 GTSは、元々多くのオプションが盛り込まれている非常にお買い得なモデルで、新車で900万円くらいだったと思いますが、オプションレスでも十分に豪華な装備となっている非常にお買い得なモデルだった車です。
しかし、念願のポルシェ購入だったにも関わらず、なんと私は僅か2年でこの車から降りる事になります。
オープンミッドシップスポーツで、NAフラット6エンジンの甲高いサウンド、そしてポルシェにしか味わえない、ダイレクトなステアリングフィールを持ち合わせた、まさにスポーツカーとしての理想の一台です。
よって、今も尚、値下がりする事なく、非常に安定した相場で人気を誇っているこの車を検討されている方は、まだまだいらっしゃると思います。
そこで今回は、私がこの車を2年間所有した魅力とリアルな実感を動画を遡って、皆様にお伝えしたいと思います。
オープンカーの贅沢な体験
ボクスターGTSの最大の魅力の一つは、やはりオープンにして走る楽しさです。
この体験は「贅沢そのもの」であり、これまでポルシェから送り出されてきた2004年のスーパースポーツ、NA V10+6速MT、純ガソリンエンジン搭載のミッドシップスーパースポーツのカレラGT、そして、2013年にハイブリッドシステムを搭載した4.6L NA V8 918スパイダーというポルシェの特別なモデルのほとんどがオープンカーです。
余談ですが、カレラGTは100%ポルシェ設計だった車ではなく、カーボンモノコックによるシャシーは、ポルシェ設計だったようですが、V10エンジンはフォルクスワーゲン設計だったらしく、車全体の完成度は低く、クローズドコースでの速さはイマイチで、歴代のポルシェモデルとしては、意外にも評価の低いマシンだったようです。
↑newsroom.porsche.comより引用
このボクスターGTSの最大の魅力は、僅か1000万円足らずで、カレラGTに乗っているかのような疑似体験が出来、より身近なオープンポルシェを体験させてくれます。
日常のドライブが特別な時間へと変わる、そんな感動がそこにあります。
NAエンジンが奏でる極上のサウンド
ボクスター GTSに搭載されたNA(自然吸気)エンジンは、ターボ車とは一線を画す「フラット6サウンド」を響かせます。
このエンジンは、7速MTが初めて採用された911タイプ991.1の3.4Lエンジンで、リヤエンジンからミッドシップレイアウトの変更により、ミッションが前後に入れ替わっているため、エンジンが前後逆に搭載されています。
甲高く、図太く、衰えを感じさせないそのサウンドは、ドライバーの心を高揚させ、かつての水冷式モデルから初導入された911タイプ996 GT3を彷彿させるようなサウンドを響かせ、7800回転までスムーズに吹け上がります。
このNAエンジンのフィーリングこそが、多くのファンを惹きつける理由の一つと言えるでしょう。
運転の楽しさを追求した機能性
ボクスターGTSは、運転する楽しさを徹底的に追求しています。
• キレのあるドライビングが出来る: コーナーでのポルシェらしい4輪が張り付くような挙動、遊びの少ないカチッとしたステアリングフィール、約束されたブレーキによる制動力、キレののある運転を可能にします。
• 疲れにくい6MT: マニュアルトランスミッションはクラッチの踏み応えが非常に軽く、厳密に言うとGT3の方が数段軽くてびっくりするのですが、渋滞時でもストレスを感じにく、普通のマニュアル車と同じ感覚で乗る事が出来ます。
下の写真は、ケイマンGT4用のシフターを移植し、ショートストローク化しています。
• オートブリッピング機能: スポーツプラスモードでは、シフトダウン時に自動で回転数を合わせてくれるため、ヒール&トーが不要になり、安定した運転が楽しめます。
しかし、より一層純度の高い走りを楽しみたい場合は、PSMを完全オフにする事により、ドライバー自身のヒール&トーが要求されます。
その理由は、PSMによるスタビリティーコントロールをオフにしなければ、自分のペースの限界域までに、車をコントロールする事が出来ないからです。
従って、ドライバーの技量によってドライブすることが出来、スタビリティーコントロールの支配下では、オート部リッピングが使えて、それなりに走る事が出来、PSMでペースが抑え込まれてしまった場合には、全オフにより本領発揮が出来る車となっています。
メンテナンス性にも優れたPCCB
PCCB(ポルシェ・セラミック・カーボンコンポジット・ブレーキ)は、高い制動性能だけでなく、メンテナンスのしやすさも魅力です。
ローターの摩耗を気にせずサーキット走行を楽しめる上、ブレーキダストが少なくホイールが汚れにくいため、手入れが非常に楽になります。
もう少しPCCBについて触れておくと、ボクスターGTSのPCCBは、セラミックローターの摩耗を抑えるために、樹脂系のバッドが使用されています。
従って、法定速度内で公道を走る分には、全く不足はありませんが、高負荷で加減速を多用するサーキット等で走る場合には、ブレーキの使用温度が樹脂系パッドの想定温度よりも高くなってしまいます。
そのため、ブレーキがフェード気味になってくるので、本格的にサーキットを走る場合には、標準のスチールローター仕様のブレーキをお勧めしたいと思います。
911 GT3との出会い
私がボクスターGTSを手放すことを決めたのは、911 GT3の9000回転まで回るエンジンを体験してしまったためです 。
ボクスターGTSは素晴らしい車ですが、一度でもGT3エンジンを体感してしまうと、7800rpmまでしか回らない高回転域の凶変の無さと、あくまでも実用性に振られた、実用トルク重視型のエンジンに乗っている事を強く印象づけられてしまいます。
従って、どれそれをも上回るGT3エンジンの感動が印象深く、それが2年で手放す大きな動機となりました。
まとめ
ボクスター GTSは、ポルシェのスペシャルな感動を身近に感じさせてくれる、1000万円前後で乗れる非常にコストパフォーマンスに優れた車です。
日常の足として、そして非日常を味わえる特別な相棒として、未だに多くの車好きに愛される理由がしっかりと詰まった車です。
とにかくオープンポルシェを身近に体験したい方にとっては、ターボモデルやこれから出て来るハイブリッドモデルが出て来る現状にあるので、これまで出てきたスペシャルなオープンポルシェの擬似体験が出来ない事から、この上ない車は存在しないと考える事が出来る方にとっては、素晴らしい車になるだろうと思います。
981 ボクスター GTSのオプション詳細
【GTS オプション一覧】
私の場合は、幸いにして、
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